イカゲーム2で最も衝撃的なゲームのひとつといえば「メリーゴーランド」ではないでしょうか。
公式名称は「マッチゲーム」ですが、巨大な回転台と童謡が特徴的なこのゲームのルールは一体どんなものだったのか?
明るい曲と楽しげなダンスとは裏腹に、多くの参加者が命を落とす残酷な仕掛けに視聴者は戦慄しました。
特に短い出演ながらも強い印象を残したヨンミの悲劇的な最期は、多くのファンの心に深く刻まれています。
このゲームで何が起きたのか、なぜあんなにも恐ろしく、そして魅力的だったのか。
イカゲーム2で行われたメリーゴーランドのルールの全貌に迫ります!
イカゲーム2「メリーゴーランド」のルールを解説

Netflixで世界中を熱狂させたイカゲーム2の第3ゲーム「マッチゲーム」。
このゲームは、シンプルながらも非常に過酷なルールが設けられています。
参加者たちが巨大な回転台に立ち、表示された人数でグループを作るという単純な指示の裏に隠された緊張感と恐怖。
このゲームのルールと心理的影響について詳しく見ていきましょう。
「マッチゲーム」の基本ルール
イカゲーム2でのメリーゴーランドこと「マッチゲーム」は、シンプルながら非常に過酷なルールが特徴です。参加者は巨大な回転台の上に立ち、曲が止まると同時に特定の人数が提示されます。そして、その指定された人数ピッタリでグループを作り、部屋に入らなければなりません。
重要なポイントは、提示された人数と完全に一致させる必要があるということ。多すぎても少なすぎてもダメなんです。例えば「4人」と表示されたら、必ず4人でグループを組まなければなりません。3人や5人では失格となり、命を落とすことになります。
また、制限時間内に部屋に入れなかった参加者も即座に脱落となります。このゲームの残酷なところは、全員が勝ち残れるわけではなく、必ず誰かが犠牲になるように設計されていること。友情や信頼関係より自分の生存を優先せざるを得ない状況が、参加者たちを心理的にも追い詰めていくのです。
ボクが見ていて特に印象的だったのは、このシンプルなルールが引き起こす人間模様の複雑さです。生き残るために必死で仲間を探す姿や、逆に仲間から切り捨てられる恐怖が、視聴者の心を揺さぶりましたよね。
扉を閉めるタイミングの重要性
マッチゲームにおいて、部屋に入るだけでなく、扉を確実に閉めるタイミングも成功の鍵となります。制限時間内に指定された人数で部屋に入り、さらに扉をしっかり閉める必要があるのです。
実はこのルール、単純そうで意外な落とし穴があります。例えば、ギリギリのタイミングで全員が部屋に入っても、扉が完全に閉まっていなければ失格となりかねません。急いで入室した結果、扉がきちんと閉まらないというミスも起こり得るわけです。
また、ヨンミの悲劇的なシーンでも分かるように、最後の一人として部屋に駆け込もうとしても、他のグループの動きによって状況は一変します。部屋に入るタイミングを逃せば、たとえ適切な人数のグループがあったとしても、命を落とすことになります。
このゲームの怖いところは、時間という絶対的な制約です。どんなに協力関係を築いていても、制限時間という容赦ない現実の前では、全ての人間関係が脆くも崩れていきます。ボクとしては、こうした極限状態での人間の行動パターンが、このゲームの本当の恐ろしさだと感じています。
ゲームの目的と参加者への試練
マッチゲームの根本的な目的は、参加者間の結束や信頼関係を意図的に破壊することにあります。前のゲームで協力関係を築いた参加者たちを、今度は互いに裏切らせるという残酷な仕掛けなのです。
このゲームが特に過酷なのは、誰かを切り捨てなければ自分も生き残れないという状況を作り出している点です。制限時間内に指定人数のグループを作れなければ全員が死んでしまうプレッシャーと、限られた部屋の数による競争が、参加者たちを追い詰めます。
監督は「グループを作る時に人を引き離したり誰かをつかんだりする」と採用意図を説明しています。第2ゲームで参加者間の信頼を強めさせておきながら、第3ゲームではその信頼関係を崩壊させるという計算された残酷さがあるわけです。
また、VIPたちが参加者の苦しむ姿を娯楽として観察しているという設定も、このゲームの本質を物語っています。人間の極限状態での変化や、生存本能が友情や道徳をどう上書きしていくかを、冷徹に見せつける試みなのでしょう。
ボクが見ていて辛かったのは、人間関係が命と天秤にかけられる様子です。でも、この極限状態だからこそ見える人間の本質が、視聴者を引きつける要素になっているのかもしれませんね。
イカゲーム2「メリーゴーランド」のルールと演出

メリーゴーランドゲームの恐ろしさは、ルールだけでなく、その演出にも表れています。
韓国の童謡が流れる中で行われる死のゲーム。この不気味な対比が視聴者の恐怖を増幅させる効果をもたらしました。
また、サノスとナムギュのダンスシーンや悲劇的な犠牲者の描写など、演出面でも見どころが満載です。メリーゴーランドが残した強烈な印象の理由を、音楽や映像の観点から掘り下げていきます。
メリーゴーランドで流れる曲と歌詞
イカゲーム2のメリーゴーランド(マッチゲーム)で流れる楽曲は、「Round And Round(丸く丸く)」という韓国の有名な童謡です。この曲は韓国語では「둥글게 둥글게」と表記され、日本の「ちょうちょう」や「ぞうさん」のように、韓国の子どもたちなら誰もが知っている国民的な童謡なんです。
作曲したのは、韓国の童謡界のレジェンドとも言える이수인(イ・スイン)さん。彼は500曲以上もの童謡を作曲した韓国を代表する作曲家で、2021年に81歳で亡くなられています。
なんとも不気味なのは、死のゲームという極限状態で、無邪気な子どもの歌が流れる対比です。楽しげな歌と命がけのゲームという組み合わせが、視聴者の恐怖や不安を増幅させる効果をもたらしています。
特に印象的だったのは、この明るい曲が頭から離れなくなる現象。
Netflix公式も「一度聴いたら頭から離れなくなること間違いなし!」と警告していたほどで、実際にSNSでは「イカゲーム2のあの曲が頭から離れない」という声が続出していました。
恐怖体験と結びついた子どもの歌というコントラストが、視聴者の記憶に強く刻まれる仕掛けになっているんですね。
ダンスと踊りで緊張を和らげる演出
マッチゲームの中で注目すべき演出の一つが、回転台の上でのダンスシーンです。命がけのゲームの緊張感の中で、まるでカルーセル(メリーゴーランド)のような回転台と童謡に合わせて踊るという行為が、異様な雰囲気を生み出しています。
このダンスは単なる演出ではなく、死と隣り合わせの極限状態での人間の反応を表現しています。多くの参加者が不安で固まる中、音楽に合わせて踊ることで緊張をほぐそうとする姿は、恐怖に対する一種の防衛反応とも言えるでしょう。
実はこのダンスは、Netflix公式YouTubeでダンスレッスン動画まで公開されるほど話題になりました。「両手をクルクル回し、合いの手に合わせて手拍手をひとつ」など、具体的な振り付けが紹介されています。残酷なゲームの中の一要素が、視聴者参加型のコンテンツに昇華されているのです。
サノスとナムギュのダンスシーン
マッチゲームの緊張感漂う状況の中で、特に印象的だったのがサノス(チェ・スンヒョン/T.O.P)とナムギュ(ノ・ジェウォン)の2人が音楽に合わせて手を組んで踊るシーンです。他の参加者が恐怖で硬直している中、彼らだけが童謡のリズムに乗って楽しげに踊る姿は、不思議な対比を生み出しています。
このダンスシーンが特別なのは、死の恐怖に直面している状況での「異常な平静さ」を表現している点です。特にサノスは人気ラッパーという設定で、常に注目を浴びることに慣れた人物。彼にとっては死のゲームでさえも「パフォーマンスの場」として捉えているような印象を与えます。
また、このダンスは単なる気まぐれではなく、後の展開を暗示するフォアシャドウになっています。サノスとナムギュの軽薄さや危機感のなさが、後の悲劇的な結末への伏線となっているのです。
ボクが見ていて面白いと思ったのは、カメラワークの巧みさです。彼らのダンスシーンと他の参加者の恐怖に満ちた表情を交互に映すことで、同じ状況に置かれながらも全く異なる反応を示す人間の多様性を表現しています。この対比が、視聴者に「自分ならどうするだろう」という問いを投げかけるんですね。
マッチゲームで命を落とした人々

マッチゲームでは、そのシンプルながらも残酷なルールによって、多くの参加者が命を失いました。まず、4人ペアの際にサノスに切られて部屋に入れなかったギョンスがその犠牲者の一人です。サノスのファンだったにもかかわらず、命の危機の前では見捨てられるという皮肉な結末を迎えました。
また、シム・ジェソク(No.343)は最終ラウンドでイノとジョンべが入った部屋に先に入室していたものの、入室人数を2人にするべくイノに絞め殺されるという悲劇に見舞われています。これは人数制限というルールが、殺人を正当化してしまう恐ろしさを示しています。
マッチゲームが特に残酷なのは、誰かが必ず犠牲になるように設計されている点です。全員が助かる可能性がないゲーム設計は、参加者たちの間に不信感と自己保存本能を最大限に引き出します。
死亡シーンの描写方法が特徴的です。
単なるショッキングな表現ではなく、それぞれの死が物語や人間ドラマに深みを与えています。
例えば、サノスに見捨てられたギョンスの死は、有名人への盲目的な崇拝の虚しさを象徴しているように思えました。生と死が隣り合わせの状況で、人間関係の脆さと自己保存本能の強さが浮き彫りになっていますね。
ヨンミの悲劇的な最期
イカゲーム2のマッチゲームで最も心に残る死のひとつが、ヨンミ(キム・シウン)の悲劇的な最期です。6人ペアの回で、ヒョンジュらのグループと一緒に部屋に入ろうとしていたヨンミですが、途中で他の参加者にぶつかり、入室が遅れてしまいます。そして時間ギリギリにミョンギが彼女の代わりにヒョンジュの部屋に入り、結果として彼女は部屋に入れずに銃殺されてしまいました。
この場面が特に悲痛なのは、あと少しで助かったかもしれないという「もう一歩」の差です。ヨンミは短い登場時間ながらも人間味のある演技で視聴者の印象に残り、彼女の死が多くの人の心を揺さぶりました。実際、彼女を演じたキム・シウンは「シンスティラー(演技力で場面を盗む俳優)」として注目を集めることになったほどです。
ミョンギは後に「あそこで俺がヒョンジュを部屋に入れなければ人数が足らなくてみんな死んでた」と言っていますが、これは自分の行動を正当化するための発言かもしれません。
このシーンでは、普段なら助け合う関係でも自分の命が危険にさらされると、相手を切り捨てる決断をしてしまう人間の弱さと強さが痛烈に描かれていました。
この悲劇は「イカゲーム」シリーズの核心である「極限状態での人間の選択」というテーマを象徴しているように思えます。
イカゲーム2「メリーゴーランド」のルールまとめ
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。