Netflix大ヒットシリーズ『イカゲーム2』に登場するミステリアスなキャラクター、カンノウル。
ピンクスーツに△マークのマスクを被った彼女は、一体誰なのでしょうか?
北朝鮮に置き去りにした子供を思い続ける元軍人の過去、シーズン1の人気キャラクターであるセビョクとの関係性の謎など、視聴者を惹きつけるカンノウルの魅力に迫ります。
無表情に見えながらも、参加者に苦痛のない死をもたらすという独自の使命を持つこの女性の正体とは?
シーズン3への伏線も含め、イカゲーム2「カンノウル」の全てを余すことなく解説していきましょう!
イカゲーム2 カンノウルの正体と謎に迫る

まずは、カンノウルというキャラクターの内面に迫っていきましょう。
遊園地でウサギの着ぐるみを着て働いていた彼女が、なぜピンクガードとなったのか。その複雑な背景には、北朝鮮での軍人経験や置き去りにした娘への思いが深く関わっています。
「忘れる」ことを拒み、静かに使命を全うする彼女の行動原理を紐解いていきます。
カンノウルは何者なのか
カンノウルは北朝鮮から亡命してきた元軍人です。『イカゲーム2』に登場する謎めいた女性キャラクターで、冷たい表情と空虚な瞳が特徴的です。彼女は上官を銃で撃って一人で韓国に脱出してきた「反動分子」と呼ばれる政治犯の立場にあります。
北朝鮮では夫も軍人だったことが家族写真から判明しており、軍事的な背景を持つ人物であることがわかります。韓国に来てからは7年が経過しており、遊園地でウサギの着ぐるみを着て働く日々を送っていました。
見た目は無表情で虚ろな印象ですが、ナヨンという小さな女の子が描いてくれた絵には心を動かされる一面も。北朝鮮に置き去りにした幼い娘を思い出させるためでしょう。
興味深いのは、ブローカーとの会話の際にギフンとすれ違うシーンがあることです。この偶然の出会いが、後の展開につながっていくのかもしれません。
ピンクガードになった理由
カンノウルがピンクガードになった理由は、絶望的な状況に置かれた人々に安らかな死を与えるという使命感からでした。彼女自身も深い絶望を抱えており、同じように苦しむ人々に対して最後の安らぎを提供したいという思いがあったのです。
彼女はイカゲームのスタッフ番号「011」を割り当てられ、「△」のマスクを着用する兵士の役割を担当します。これは以前にもイカゲームに関わっていた可能性を示唆しています。
また、経済的な理由も無視できません。カンノウルは車中泊の厳しい生活を送りながら、北朝鮮に残してきた娘を連れ戻すためにブローカーに大金を支払おうとしていました。イカゲームのスタッフになることで、そのための資金を得ようとした可能性もあります。
さらに、病気の少女ナヨンとの出会いも彼女の心を動かしました。ナヨンの父親がイカゲームに参加する姿を目撃したことが、カンノウル自身もゲームに関わるきっかけになったと考えられます。自分の娘と重ね合わせてナヨンを助けたいという思いも、ピンクガードになった動機の一つかもしれません。
スナイパーとしての使命
カンノウルはイカゲーム内でスナイパーとしての重要な役割を担っています。彼女の使命は、ゲームで脱落した参加者たちに苦痛なく即死できるよう致命傷を与えることでした。
この役割には彼女の軍人としての過去が活かされています。北朝鮮で軍人だった経験から、銃の扱いに長けていたのでしょう。演じたパク・ギュヨンも役作りのためアクションスクールに通い、銃の構え方や呼吸法を学んだそうです。
注目すべきは、カンノウルが他のピンクガードたちと一線を画していたことです。他の兵士たちが臓器密売のために参加者を生きたまま確保しようとする中、彼女はそれに反対し、参加者が長く苦しまないよう即死させることを選びました。
「他人の痛みを取り除いて、自分と同じように苦しんでいる人達に安らぎを与えたい」というパク・ギュヨンの言葉通り、カンノウルには独自の倫理観があったようです。彼女の行動は冷酷に見えて実は慈悲に満ちているという、複雑な人物像を表しています。
置き去りにした子供の行方
カンノウルが北朝鮮に残してきた1歳の娘の行方は、彼女の人生における最大の心の傷です。娘を連れ戻すために必死にブローカーに頼み、大金を支払おうとしますが、ブローカーからは「忘れろ」と冷たく突き放されてしまいます。
ブローカーによれば、北朝鮮では反動分子(政治犯)の子どもとして扱われるため、生存の可能性は低いといわれています。しかし、「誰も死んだのを見ていないし、遺体も見つかっていない」という話もあり、真相は闇の中です。
カンノウルにとって、娘との再会が唯一の生きる目的であり、ファン・ドンヒョク監督も「彼女は自分の子どもと再会を果たす以外に、人生に目的を持っていない」と語っています。この強い思いが、彼女のすべての行動の原動力になっています。
イカゲーム2 カンノウルの演技と評価

ここからは、カンノウル役を演じたパク・ギュヨンの演技に注目してみましょう。
「ネトフリの娘」とも呼ばれる彼女がこの難役にどう挑んだのか、撮影秘話や役作りの工夫を探ります。
また、視聴者の間で話題となったセビョクとの関係性、そしてシーズン3での展開予想まで、カンノウルというキャラクターの魅力を多角的に掘り下げていきます。
カンノウル役のパク・ギュヨンとは
パク・ギュヨンは1993年7月27日生まれの韓国の女優さんです。釜山出身で、名門の延世大学を卒業した才女なんですよ。彼女は学生時代に情報誌の表紙モデルをしていたところをスカウトされて芸能界入りしました。
演技キャリアは2016年からスタートし、チョ・グォン(2AM)の「横断歩道」というミュージックビデオで初めて顔を知られるようになりました。その後、「ロマンスは別冊付録」や「サイコだけど大丈夫」などの人気ドラマに出演してきましたが、特に「Sweet Home -俺と世界の絶望-」では従来の清純なイメージとは異なるたくましいベーシスト役を演じて注目を集めました。
彼女の演技の幅広さはすごいんです。「イカゲーム2」のカンノウル以外にも、「セレブリティ」ではSNSインフルエンサーの世界を描いたシリアスな作品に主演し、「ワンダフルデイズ」ではキスすると犬に変身してしまうというラブコメのヒロインも演じています。真逆のジャンルでも違和感なく演じ分ける実力派女優なんです。
Netflixの作品に多く出演していることから「ネトフリの娘」とも呼ばれているそうで、世界的な知名度も急上昇中の注目株です。「イカゲーム2」でのミステリアスな役柄で、さらに彼女の演技力に注目が集まっていますね。
パク・ギュヨンの役作りと準備
パク・ギュヨンは「イカゲーム2」のカンノウル役を演じるために、本格的な準備をしたそうです。
実はこの役、オーディションで勝ち取ったもので、彼女自身も全世界で愛されたシリーズに参加できることに大きな感謝の気持ちを抱いていたそうです。
特に注目すべきは、撮影前の銃の訓練です。
カンノウルはスナイパー役ですから、リアルな銃の扱いが必要でした。パク・ギュヨンはアクションスクールに通って銃の持ち方や姿勢、そして呼吸法まで丁寧に学んだそうです。現場には専門の指導者もいて、本格的な射撃シーンの練習をしたとか。演じる役に対する彼女の真摯な姿勢が伝わってきますね。
カンノウルのキャラクター作りについても、彼女は深く考えていました。
「娘のことだけを思い、自分に背を向けて生きる人物」として、表情や立ち振る舞いにも気を配ったそうです。特に少女ナヨンとの絡みでは、「自分の娘なら今頃このくらいの年齢かな」という感情をリアルに演じるために、ウサギと手をつないだ絵にしてほしいと自らリクエストしたというエピソードも。
役作りで大変だったのは、マスクを着用しての演技でした。
ピンクガードはマスクで顔が隠れるため、表情で感情を伝えられない分、声や体の動きで表現する必要がありました。視界も聴覚も制限される中での演技は難しかったようですが、そんな制約もパク・ギュヨンは見事に乗り越えたんですね。
セビョクとカンノウルの関係性
「イカゲーム」シーズン1に登場した脱北者のカン・セビョク(チョン・ホヨン)とカンノウルの関係性について、多くの視聴者が興味を持っています。実は二人とも「カン」という同じ姓を持ち、どちらも北朝鮮から脱北したという共通点があるんですよ。
監督によると、セビョクは「闇の中で希望を探す人物」として描かれ、一方のカンノウルは「一番濃い闇の中へと入っていく」人物として設定されているそうです。対照的な二人ですが、何らかの接点があるのではと推測する視聴者も多いんです。
面白いことに、パク・ギュヨンとセビョク役のチョン・ホヨンは同じ事務所に所属しているんですよ。インタビューでパク・ギュヨンは「ホヨンはとても気さくな人で、『一生懸命に、楽しくやればいいと思う』と言ってくれました」と明かしています。実生活での交流もあったんですね。
ただ、カンノウルが北朝鮮の方言を使わなかった理由について、パク・ギュヨンは「脱北して7年経っているという設定だから」と説明しています。監督も韓国の視聴者に配慮して標準語にしたようです。セビョクとカンノウルの関係については、シーズン3で明らかになる可能性もあり、続きが楽しみですね。
撮影現場での裏話
「イカゲーム2」の撮影現場では、パク・ギュヨンならではの苦労や面白エピソードがたくさんあったんですよ。彼女が演じたカンノウルは一人で撮影するシーンが多く、他の出演者と絡む機会が少なかったそうです。インタビューでは「誰と仲良くなったのか聞かれても話せることがなくて」と寂しそうに語っていました。
ピンクガードの衣装を着ての撮影も独特の体験だったようです。
マスクを着けていると視界が制限され、声も聞こえにくくなるため、通常より大きな声で話す必要があったそうです。それでも「ピンクスーツを着るのは楽しかった」と前向きに話しています。衣装への愛着も感じられますね。
現場での唯一の仲間意識を感じられたのが、同じく兵士役のチャン・ジェホさんだったとか。
劇中では仲が悪い設定でしたが、撮影の合間には「ピンクスーツを着ていると見えないよね?聞こえないよね?」と共感し合う間柄だったそうです。マスク姿で苦労を分かち合うのは、なんだか微笑ましいですね。
また、パク・ギュヨンは「イカゲーム」の公式グッズであるトレーニングウェアを持っているほどのファンだったそうで、実は撮影中、他の俳優が着ているトレーニングウェアを羨ましく思っていたと告白しています。でも「ピンクスーツにプライドを持っていた」と語り、カンノウル役を全力で楽しんでいた様子がうかがえます。
シーズン3でのカンノウルの行方
「イカゲーム2」では多くの謎を残したまま終わり、カンノウルのストーリーもシーズン3へと持ち越されました。6月27日に配信予定のシーズン3では、彼女の運命がどうなるのか注目が集まっていますよ。
カンノウルは元々、上官を銃で撃って体制に反旗を翻した人物。このことから、シーズン3では彼女がフロントマンや上司に銃を向けるという展開も考えられます。特に他のピンクガードたちの臓器密売などの不正行為に対して批判的だったことから、ゲームの運営側に反乱を起こす可能性も。革命を起こそうとしたギフンと何らかの形で協力する展開も期待できますね。
また、最大の謎である北朝鮮に残してきた娘の行方も気になるところです。本当に死んでしまったのか、それとも生きているのか。カンノウルの唯一の生きがいである娘との再会が果たされるのかどうか、シーズン3での展開に期待が高まります。
他にも、セビョクとの関係性や名字が同じ「カン」である理由など、解明されていない謎がたくさんあります。ファン・ドンヒョク監督によればシーズン3が最終シーズンになるとのことなので、カンノウルの物語も完結するのでしょう。
はっきりしていることは、パク・ギュヨンの演じるカンノウルが「イカゲーム」の世界でさらに重要な役割を担うということ。シーズン3の配信が待ち遠しいですね!
イカゲーム2「カンノウル」の魅力と謎まとめ
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。