2007年の放送から15年以上が経った今なお、根強い人気を誇る韓国ドラマ「イ・サン」。
最高視聴率35.5%を記録したこの作品は、朝鮮王朝第22代王・正祖の波乱万丠な人生を描いた歴史ドラマです。
イ・ソジンやハン・ジミンといった豪華キャストはもちろん、印象的な演技を見せた子役たちの現在、そしてチョンスン王妃を始めとする宮廷の人々の複雑な人間模様まで、相関図とともに詳しく解説します。
77話という長編ながら、あらすじの随所に見どころが散りばめられたこの名作の魅力を、登場人物たちの視点からご紹介していきましょう。
韓国ドラマ「イサン」キャスト|基本情報
時代劇の金字塔として名高い「イ・サン」は、単なる歴史ドラマの枠を超えた魅力にあふれています。
主演のイ・ソジンを筆頭に、実力派俳優陣が織りなす人間ドラマの深み、そして政治と愛が交錯する宮廷絵巻の見どころを、登場人物たちの立場から紐解いていきましょう。
キャストと相関図
役名 | 俳優名 | 代表作品 | 役柄詳細 | その後の活躍 |
---|---|---|---|---|
イ・サン | イ・ソジン | 『結婚契約』『内科パク院長』『ソジンの家』 | 朝鮮王朝第22代王・正祖。幾度もの暗殺計画を乗り越え、民のための改革を実行 | バラエティ番組でも人気を博し、俳優としての評価も急上昇 |
ソン・ソンヨン | ハン・ジミン | 『知ってるワイフ』『まぶしくて』『ヒップタッチの女王』 | 図画署の茶母(タモ)として働きながら、幼なじみのサンを一途に想い続ける | この作品で演技力が高く評価され、トップ女優への階段を駆け上がる |
パク・テス | イ・ジョンス | 『1to1 マッチャン』『キッドギャング』 | 武芸に長けた護衛官。賭け相撲で生計を立てていたが、サンを守るため奮起 | 脇役ながら存在感のある演技で注目を集める |
英祖 | イ・スンジェ | 『ホジュン』『馬医』『シークレット・ファミリー』 | 第21代王。厳格な性格だが民を慈しむ心を持つ。息子の処刑を後悔 | 歴代の時代劇で重要な役どころを演じ続ける名優 |
チョン・フギョム | チョ・ヨヌ | 『スカーレットレター』『愛もお金になりますか?』 | サンの政敵。優れた戦略家として知られる | 悪役の名手として評価を確立 |
ファワン | ソン・ヒョナ | 『幻の王女チャミョンゴ』『悪い女、善い女』 | 英祖の娘でサンの叔母。息子フギョムを次期国王にしようと画策 | 重厚な演技で宮廷ドラマの常連に |
政治的な対立構図
相関図を詳しく見ていくと、「イ・サン」という作品が単なる王位継承劇ではなく、血縁・政治・信頼関係が複雑に絡み合った人間ドラマとして描かれていることがわかります。
特に、サンを支持する勢力と反対する勢力の対立、そして血のつながった者たちの間での権力闘争は、ドラマの大きな見どころとなっています。
ボクが特に注目したいのは、この作品でのキャスティングの妙です。
主演のイ・ソジンは、イ・サン役を見事に演じ切りました。彼の後のキャリアでは『結婚契約』『内科パク院長』などの作品で活躍。
ヒロインのソン・ソンヨン役には、ハン・ジミンが抜擢され、『知ってるワイフ』や『まぶしくて』などで知られる実力派女優へと成長しました。
サンの護衛官パク・テス役のイ・ジョンスは、『1to1 マッチャン』などに出演。英祖(ヨンジョ)役のイ・スンジェは『ホジュン』『馬医』など、数々の時代劇で重要な役どころを演じています。
配役一つ一つを見ても、それぞれの役者が自身の持ち味を存分に活かしながら、キャラクターに命を吹き込んでいるのが分かります。これこそが、「イ・サン」が15年以上経った今でも色褪せない名作として語り継がれている理由の一つだと言えるでしょう。
あらすじ
「イ・サン」の壮大な物語は、1762年の衝撃的な出来事から幕を開けます。
幼いイ・サンの父である思悼世子(サドセジャ)が、何者かの陰謀により謀反の濡れ衣を着せられ、米びつに閉じ込められるという悲劇から物語は始まります。
ボクが特に印象深く感じたのは、この作品が単なる歴史ドラマの枠を超えて、人間ドラマとしても見応えがある点です。
幼い頃から厳格な祖父・英祖による帝王教育を受けながらも、図画署の茶母ソンヨンや護衛官パク・テスといった幼なじみたちとの交流を通じて、人としての優しさも失わないイ・サンの成長過程が丁寧に描かれています。
物語は大きく前半と後半に分かれ、前半では祖父・英祖からの厳しい教育と、叔母ファワンによる陰謀から身を守りながら世継ぎとしての地位を確立していく過程が描かれます。
後半では、即位後のイ・サンが、老論派との政治的対立や、チョン・フギョムをはじめとする敵対勢力による暗殺計画に直面しながらも、民のための改革を進めていく姿が印象的です。
特筆すべきは、77話という長編でありながら、一話一話に見どころが散りばめられている点です。
たとえば、イ・サンが清国使節団との外交問題を巧みに解決するエピソードや、図画署の人々と協力して贋作事件に立ち向かうシーン、そして水原(スウォン)に新しい城を築く過程など、歴史的事実に基づきながらもドラマティックに脚色された展開に引き込まれます。
また、イ・サンとソンヨンの切ない恋物語も重要な要素です。
身分違いの恋でありながら、互いを想い続ける二人の純愛は、政治的な緊張感漂う物語に、心温まる潤いを与えています。ソンヨンは図画署の茶母として働きながら、自身の絵の才能を開花させ、やがて王の側室として迎えられるまでに至ります。
さらに、この作品の見どころは、実在の人物たちが歴史に残した功績も丁寧に描かれている点です。
たとえば、実学者パク・チェガやチョン・ヤギョンといった人物たちとイ・サンの交流を通じて、朝鮮王朝における実学の発展や、民のための政治改革の過程が分かりやすく描かれています。
最終的に物語は、イ・サンが数々の試練を乗り越え、朝鮮王朝の名君として歴史に名を残すまでを描き切ります。
最高視聴率35.5%という数字が示す通り、当時の韓国では社会現象と呼べるほどの人気を博しました。それもそのはず、政治、ロマンス、人間ドラマが見事に調和した本作は、15年以上経った今でも色褪せない魅力を放ち続けているのです。
韓国ドラマ「イサン」キャスト|深堀り情報
名作と呼ばれる作品には、必ずその時代を超えて語り継がれる理由があります。
この章では、子役から実力派俳優へと成長した若手たちの現在や、王妃を演じた名優たちの知られざるエピソードなど、作品の魅力をさらに深く掘り下げてご紹介します。
子役たちのその後
韓国ドラマ「イ・サン」で印象的な演技を見せた子役たちの現在についてご紹介していきましょう。
約16年の時を経て、彼らはどのように成長したのでしょうか?
まず、幼いイ・サンを演じたパク・チビンは、当時わずか12歳でした。
父・思悼世子の無念を晴らそうと、涙ながらに英祖に懇願するシーンは、多くの視聴者の心を揺さぶりました。現在28歳となった彼は、『最愛の敵~王たる宿命~』での特別出演や、『殺人者の買い物リスト』でのトランスジェンダー役など、挑戦的な役柄に取り組み続けています。
『ブラインド』では、一見親切に見える殺人者という複雑な役柄を演じ切り、子役から実力派俳優への成長を印象づけました。
ヒロイン・ソンヨンの子ども時代を演じたイ・ハンナは、頭の良さと気の利く演技で視聴者の心を掴みました。
その後『必殺! 最強チル』でク・ヘソン、『タチャ イカサマ師』でハン・イェスルの子役を演じ、順調にキャリアを重ねていましたが、2014年を最後に一時活動を休止。しかし、約9年ぶりとなる今年、『生まれ変わってもよろしく』で見事カムバックを果たします。
現在25歳となった彼女の大人びた姿に、当時の面影を見出すのは難しいかもしれません。
イ・サンの異母弟・恩彦君を演じたイ・デビッドは、成人俳優顔負けの演技力で注目を集めました。
その後も『イルジメ~一枝梅~』『根の深い木』など話題作に次々と出演。特に『梨泰院クラス』では、いじめられっ子から成功者へと変貌を遂げる印象的な役を演じ、存在感を示しました。
2021年10月に27歳で入隊し一時活動を休止していますが、除隊後は待望の『イカゲーム2』への出演が決定しており、さらなる活躍が期待されています。
王妃をめぐる物語
チョンスン(貞純)王妃は、「イ・サン」において最も複雑な人物像を持つ登場人物の一人です。
英祖の正室でありながら、年齢差は50歳以上。つまり、イ・サンにとっては継祖母という立場でありながら、実際の年齢差はそれほど開いていなかったという興味深い設定です。
ドラマでは、彼女の政治的野心が鮮やかに描かれています。
特に印象的なのは、自身の影響力を使ってイ・サンの即位を阻止しようと試みるシーンの数々です。英祖の晩年、彼女は王の耳目を支配し、自分に都合の良い情報だけを伝えることで、実質的な権力を掌握していきます。
史実においても、チョンスン王妃の政治的影響力は絶大でした。
特に、イ・サンの父である思悼世子の死には、間接的に関与していたと言われています。ただし、直接的な証拠は残されておらず、この点については歴史家の間でも議論が分かれています。
最期は、イ・サンによって王位を剥奪され、平民に降格されるという運命を辿ります。
しかし、イ・サンは彼女を処刑することはありませんでした。これは、祖父・英祖への孝行の念があったためとされています。
結局、彼女は宮殿から追放され、軟禁状態で余生を過ごすことになります。この結末は、権力を追い求めた者の哀れな末路として、歴史に刻まれることとなりました。
このように、チョンスン王妃の存在は、朝鮮王朝における権力闘争の複雑さと、人間の欲望が引き起こす悲劇を象徴的に表現しています。ドラマでは、彼女の人物像を通じて、権力の本質と人間の業の深さが見事に描き出されているのです。
総括:韓国ドラマ「イサン」キャストの魅力
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。