2005年から2006年に放送された韓国ドラマ「ソドンヨ」は、百済を舞台にした韓国初の歴史ロマン大作として大きな話題を呼びました。
チョ・ヒョンジェ演じる平民から王となったチャンと、イ・ボヨン演じる新羅の姫ソンファの切ない愛の行方に、多くの視聴者が涙しました。
今回は「ソドンヨ」のキャストや相関図はもちろん、驚異的な視聴率を記録した理由、切なすぎる最終回の内容、そして後に大活躍する子役たちの現在まで、ボクなりにたっぷりと解説させていただきます。
「宮廷女官チャングムの誓い」のスタッフが手掛けたこの作品、あらすじを知れば知るほど、その魅力に引き込まれること間違いありません!
韓国ドラマ「ソドンヨ」のキャストex|基本情報
「宮廷女官チャングムの誓い」の名コンビ、「イ・ビョンフン演出×キム・ヨンヒョン脚本」が再びタッグを組んだことで、放送前から期待が高まった「ソドンヨ」。
豪華キャスティングと緻密な人物設定により、運命に翻弄される登場人物たちの心情をリアルに描き切った作品となりました。
ソドンヨのキャスト相関図
「ソドンヨ」の人間関係は、まるで運命の糸が複雑に絡み合ったような様相を見せています。ボクなりに、重要な登場人物たちを詳しく解説させていただきますね。
【主要キャラクター】
役名 | 俳優名 | キャラクター詳細 |
---|---|---|
チャン/ソドン | チョ・ヒョンジェ | 百済27代威徳王の四男。出生の秘密を知らずに育つ。モンナス博士に師事して優れた技術者となる。 |
ソンファ姫 | イ・ボヨン | 新羅26代真平王の三女。絶世の美女として知られる。チャンとの恋に命を懸ける。 |
サテッキル | リュ・ジン | 新羅の貴族金氏の息子。本名は金道含。ソンファへの想いから新羅の密偵となる。 |
モンナス博士 | イ・チャンフン | 百済最高の技術士。チャンの師匠であり、後の運命を左右する重要人物。 |
【重要な脇役陣】
役名 | 俳優名 | キャラクター詳細 |
---|---|---|
威徳王 | チョン・ウク | チャンの実父。百済27代国王。 |
ヨンガモ | イ・イルファ | チャンの母。元舞仙女でモンナスの元恋人。 |
真平王 | チェ・ドンジュン | ソンファの父。新羅26代国王。 |
モジン | チョン・ソンギョン | 百済の衣類技術士。チャンの良き理解者。 |
物語の中心にあるのは、チャン(チョ・ヒョンジェ)とソンファ(イ・ボヨン)の切ない愛の行方です。しかし、この2人を取り巻く人々の思惑が複雑に絡み合い、ドラマを重厚なものにしています。
特筆すべきは、サテッキル(リュ・ジン)の存在感。単なる敵役ではなく、ソンファへの純粋な想いと新羅への忠誠の間で揺れ動く姿が、観る者の心を掴んで離しません。
また、チャンの成長に大きな影響を与えるモンナス博士(イ・チャンフン)と、母ヨンガモ(イ・イルファ)の関係性も見逃せません。2人の過去の恋物語が、チャンの運命に深く関わってくるんです。
威徳王と真平王という2人の国王の存在も重要です。彼らは単なる父親としてだけでなく、国家の指導者として物語に重みを持たせる存在となっています。
相関図を見ると分かる通り、登場人物たちは血縁、師弟、恋愛など、様々な形で繋がっています。これらの関係性が複雑に絡み合いながら、壮大な歴史ロマンを紡ぎ出しているんです。
ソドンヨのあらすじ
百済27代威徳王の四男として生を受けながら、その事実を知らされずに平民として育ったチャン。幼い頃から並外れた才能を見せる彼を、母ヨンガモは百済最高の技術士であるモンナス博士の元へと託します。
ところが運命の歯車は思わぬ方向へと回り始めます。
モンナス博士が新羅へ亡命することになり、チャンもそれに随行することに。そこで彼は、新羅第26代真平王の三女であるソンファ姫と運命的な出会いを果たすのです。
絶世の美女として名高いソンファ姫。
チャンは彼女に一目惚れし、「薯童謠(ソドンヨ)」という童歌を子供たちに歌わせることで、二人の仲を取り持とうと画策します。この歌には「ソンファはすでにチャンと契りを交わし、毎夜密会している」という、かなり大胆な内容が含まれていました。
しかし、敵国の若者と王女の恋。それは決して許されるものではありません。
新羅の貴族サテッキルは幼い頃からソンファを慕っており、姫を得るために百済の技術を奪取することを真平王に誓い、百済への潜入を果たします。こうしてチャンとサテッキルは、技術者としても、恋のライバルとしても、激しい対立関係に陥っていくのです。
やがてチャンは自身が百済の王子であることを知ります。
当初は平民としての生活を望みましたが、次第に百済を立派な国にするために王となるべきだと決意。様々な試練に立ち向かいながら、ソンファとの恋も成就させようと奮闘していきます。
物語は、百済と新羅という二つの国家の対立を背景に、身分や立場を超えた純愛と、国家の行く末をかけた壮大な歴史絵巻として展開されていきます。
ボクが特に心を打たれたのは、チャンが技術者としての夢と王としての使命、そしてソンファへの想いの間で揺れ動く姿。彼の成長物語としても見応えのある作品となっています。
さらに興味深いのは、当時最先端を誇った百済の科学技術や文化が随所に描かれていること。
さらには飛鳥時代の倭国(日本)や聖徳太子との関わりまで織り込まれており、東アジア全体を視野に入れた壮大なスケールの物語となっているんです。
韓国ドラマ「ソドンヨ」のキャストex|深掘り情報
壮大な愛のドラマとして語られることの多い「ソドンヨ」ですが、実は百済の科学技術や文化を丁寧に描いた意欲作でもあります。
ボクがこの作品の真骨頂だと思うのは、歴史の表舞台には残らなかった人々の思いまでも、しっかりとすくい取って描いているところなんです。
ソドンヨとはどういう意味?
「薯童謠(ソドンヨ)」という一見可愛らしい響きの言葉には、実は深い意味が隠されています。
「薯童(ソドン)」は「芋を売る少年」という意味で、百済30代王となる武王の若き日の呼び名でした。この呼び名には、民衆の中で育った王という象徴的な意味が込められています。
「謠(ヨ)」は歌という意味で、合わせて「芋売り少年の歌」となります。
先ほどもチラッとお話したように、伝説によればチャンはソンファ姫の美しさを聞きつけ、この「薯童謠」という童歌を子供たちに歌わせることで、二人の仲を取り持とうとしたそうです。
歌の内容は「ソンファはすでにチャンと契りを交わし、毎夜密会している」という、当時としては相当刺激的なものでした。
視聴率は?
「ソドンヨ」の視聴率は驚異的な数字を記録しました。
2006年の年間ドラマ視聴率ランキングでは、「朱蒙」(38.5%)、「変わった女 変わった男」(34.5%)に次ぐ堂々の8位、平均視聴率23.5%を達成。
最終回は21.4%を記録し、同時間帯でMBCの「君はどの星から来たの」(10.5%)、KBS第2テレビ「春のワルツ」(8.3%)を大きく引き離して1位となりました。
視聴者からは「スピード感ある展開と俳優たちの熱演、スタッフたちの苦労が表れたドラマ」との高評価を獲得。
特に武康太子が登場した回では視聴率が急上昇し、首都圏では25.7%という驚異的な数字を記録しています。
最終回のネタバレ
ドラマの結末は、切なさと深い余韻を残すものとなりました。
新羅からソンファが百済宮に到着し、華やかな宴が催される中、サテッキルが最後の決着をつけようとチャンに剣を突きつけます。しかし、チャンの「運命というのは避けられるのに進んでしまう道だ」という言葉に心を打たれ、サテッキルは悪の道を”死”で終わらせることを選びます。
ついに結ばれたチャンとソンファでしたが、幸せな日々は長くは続きませんでした。
新羅との戦いの中でソンファは真心病(心筋梗塞)を患い、チャンの生家がある阿錯(現在の益山)へ最後の旅に出ます。
そこでソンファは、チャンの夢と王としての姿を描いた”金銅大香炉”を最後の贈り物として残し、「王様は笑顔が素敵…」という言葉を残して息を引き取るのです。
子役について
チャンの幼少期を演じたキム・ソク(1992年生まれ)は、当時わずか13歳とは思えない自然な演技で話題に。
その後「宮」でチェギョンの弟チェジュン役、「朱蒙」でソソノの第2子温祚役など、数々の話題作に出演。
特筆すべきは、俳優の道を究めながら、乗馬の韓国代表選手にまで上り詰めたことです。
一方、ソンファの幼少期を演じたソルリは、後にK-POPガールズグループfxのメンバーとして大成功を収めます。
透明感のある容姿と表現力は子役時代から群を抜いていました。
しかし2019年、若くして悲劇的なな最期を迎えることとなり、韓国芸能界に大きな衝撃を与えました。
ソンファ姫について
ソンファ姫の存在は歴史の謎に包まれています。
「三国遺事」にのみ「真平王の第三王女」として登場し、「三国史記」や「花郎世紀」には一切記述がありません。
これは非常に不思議なことで、もし実在したのであれば、善徳女王やチョンミョン公主の妹にあたる重要な人物のはずです。
特に興味深いのは、百済と新羅の通婚の可能性です。
一般に両国は敵対関係にあったとされますが、実は百済の王女が新羅に嫁いでいる事例が「三国史記」に記録されています。これは武王の時代からそう遠くない真興王の時代のことでした。
さらに最近の研究では、「彌勒寺址石塔」から武王の妃として「沙宅妃」の名前が発見されており、ソンファ姫の実在を巡る議論は現在も続いているのです。
総括:韓国ドラマ「ソドンヨ」キャストEX
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。